列福式
パウロ家族の創立者ヤコブ・アルベリオーネ神父は2003年4月27日、教皇ヨハネ・パウロ2世によって福者にあげられました。列福式は20万人の信徒で埋めつくされたバチカンの聖ペトロ広場で行われました。列福式の中で、アルベリオーネ神父を含めて6人の新しい福者の生涯と素顔が紹介されました。アルベリオーネ神父はパウロ家族の創立者として紹介され、五つの修道会、四つの在俗会、協力者会の名前も伝えられました。教会に近づかない人々にも救いを伝えるためにテレビ、ラジオ、出版、その他、時代の広報の手段による宣教の使徒職を起した創立者、会員たちに「今日に生きるパウロ」であることを求めた創立者として紹介されました。
心地よい新緑の風がバチカンのサンピエトロ広場に吹く中、教皇は「父と子と聖霊の名においてヤコブ・アルベリオーネ、マルコ・ダヴィアーノ、マリア・クリスティーナ・ブランド、エウジェニア・ラヴァスコ、マリア・ドメニカ・マントヴァーニ、ジュリア・サルツァーノを福者に挙げる」と公式に宣言した。2003年4月27日(神のいつくしみの主日)午前10時30分のことである。教皇はさらに、ヤコブ・アルベリオーネを11月26日にお祝いすると宣言。この公式宣言の後、全会衆が「アーメン」と「アレルヤ」を三回ずつ繰り返して歌う中、聖ペトロ大聖堂の壁に掲げられていた新福者の大きな絵の覆いが取られ、広場を埋め尽くす約5万人の参列者の拍手が湧いた。
この列福式には、日本から約100名の巡礼団が参列。この日のサンピエトロ広場は、曇天で雨が降ってきそうな様相だった。日本の巡礼団は午前8時15分頃に着席したが、6人の列福式にあずかるため全世界から数多くの巡礼者たちでざわめいていた。
午前9時、それまでの騒々しさから静寂な雰囲気に変わった。今日列福される6人の紹介が順次行われ、一番最初にヤコブ・アルベリオーネ神父の名前。祈りと歌がささげられ、アルベリオーネ神父の社会的コミュニケーションの手段による使徒職の業績や、「道・真理・いのちである師・牧者イエス」の霊性を深め、この世界に知らせたことが紹介された。その後、マルコ・ダヴィアーノ神父(カプチン会)、シスター・マリア・クリスティーナ・ブランド(ご聖体の贖罪修道女会の創立者)、シスター・エウジェニア・ラヴァスコ(イエスとマリアの聖心修道女会の創立者)、マリア・ドメニカ・マントヴァーニ(聖家族会の共同創立者)、ジュリア・サルツァーノ(み心のカテキスタ修道女会の創立者)と続いた。
9時45分に列福式ミサの奉仕者と共同司式者が入場、9時55分に真っ白なジープに乗った教皇が到着。全会衆が温かい拍手で迎える中、教皇はゆっくりとした動作で車を降り、列福式ミサを開始した。不思議なことに、ミサ開始とともに青空が広がり、祭壇上の教皇に温かい光が差し込み、あたかも列福式を天からも祝福するかのようであった。
教皇の近くには、教皇総代理カミロ・ルイニ枢機卿、ウィーン大司教区のクリストフ・シェーンボーン枢機卿、ナポリ大司教区のミケレ・ジョルダーノ枢機卿、ジェノヴァ大司教区のタルチシオ・ベルトネ司教、ヴェローナ教区のフラヴィオ・ロベルト・カッラロ司教、さらに列福申請者が臨み、祭壇を囲んだ。
10時5分、カミロ・ルイニ枢機卿が列席者を代表して、教皇の面前で今日列福される6名のことについて紹介。ヤコブ・アルベリオーネについては、パウロ家族の諸会の創立者であることや「道・真理・いのち」についての深い霊性を究めた人であることなどが紹介されると、会場から盛大な拍手が湧き起こった。引き続き、5名の紹介がなされた。
10時30分、教皇は6名を福者に挙げることを公式に宣言し、列福申請者たちと平和の挨拶を交わした。教皇の微笑んだ表情が広場のモニターに映し出され、会衆の感動を誘った。
教皇によって「栄光の賛歌」が高らかに歌われ、集会祈願として「神のあわれみの主日」の祈願が唱えられた。第一朗読は使徒言行録の4章、答唱詩編は師イエズス修道女会のシスターにより「恵み深い神に感謝せよ、そのあわれみは永遠。イスラエルよ叫べ、神のいつくしみは絶えることがない」(詩編118)が歌われ、神のあわれみの心がバチカンの広場全体に響いた。第二朗読は一ヨハネが朗読され、復活の続唱、アレルヤ唱、福音、説教と続いた。
共同祈願においてヤコブ・アルベリオーネの模範に従い、全世界に福音を宣べ伝えるために召された全ての人々のためにお祈りした。奉献は、種々の国籍、世代の人によってなされたが、特に印象的だったのは、ある家庭の子どもが両親とともに奉献した時である。教皇はその子どもの額にキスし、その温かい仕草の中に家庭の大切さや将来への期待を込めたものが感じられた。
ミサの終わりには不安定だった天気も回復し、晴れ間が広がり、初夏の日差しがサンピエトロ広場全体を覆い、将来の明るさや希望を与えるかのようだった。列福式ミサの結びに「アレルヤの祈り」の言葉として、教皇は次のように語った。
1 愛する兄弟姉妹の皆さん、イタリア各地から、また世界の各地から、新しい福者たちを崇敬するために、そして神のいつくしみに対する信心を表すために集まった皆さんすべてに、この荘厳な式を終えるにあたって、あいさつを送ります。(中略)
3 復活されたイエスは、高間で弟子たちに出会い、彼らに平和といつくしみという過越の賜物を与えてくださいます。今日の福音を黙想することによって、いかに真の平和は和解された心からほとばしり出るかということをよく理解することができます。和解された心、つまり、ゆるしの喜びを経験し、こうしてゆるす用意ができている心です。今日も霊的に高間における祈りに集まった教会は、その主に、全世界の喜びと希望、痛みと苦悩をささげます。これに対し、主は効果的な薬として「神のいつくしみ」を与え、その奉仕者たちがこのいつくしみの寛大で忠実な道具となるよう求められます。
4 常に主の助けに信頼しながら歩む。そのような道を私たちに示す新しい福者たちとともに、使徒たちとすべての聖人の女王であるマリアが、霊的に私たちの間におられます。今日、私たちは特に、神のいつくしみの母としてマリアに祈ります。神のいつくしみの中にしか世界は平和を見いだすことができないことを、人類家族全体が認めますように。
教皇は「父」としてのあわれみの気持ちを表明した後、全会衆と全世界の人々に対して荘厳な祝福を与え、列福式ミサが終了した。全会衆の喜びに満ちた盛大な拍手の中、「Scio cui crediti」が歌われ、感動を胸にサンピエトロ広場をあとにした。
* * *
ヤコブ・アルベリオーネ神父の列福を機会に、種々の行事が行われた。
まず、創立者の遺骸がガラス棺に収められ、4月25日〜5月1日まで訪問者の表敬のために使徒の女王大聖堂(ローマ)の地下聖堂に安置された。
列福式が行われた日の午後8時から、聖パウロ大聖堂(ローマ)で「Musica caeli」と題して、コンサートが行われた。ヴィンチェンツォ・ジテッロを中心とするメンバーによって「アヴェ・マリア」「キリエ」「主の祈り」などの宗教曲がモダーンなアレンジで披露され、心地よい音色や声が大聖堂全体に響いた。
翌日の4月28日には、列福式参列者への特別謁見が行われ、教皇は参列者に対して次のようなメッセージを与えてくださった。
1 昨日、聖ペトロ広場で行われた荘厳な列福式に参列した皆さんと、こうして再び会えて喜ばしく思います。今朝、私たちは、皆さんにとって特に大切な新しい福者たちのうちに、神が成し遂げてくださった驚くべきわざを、もう一度深く観想するという恩恵に浴しています。
2 私はまず、この大きく多様な家族、パウロ家族と、ピエモンテから、イタリア各地から、そして世界各地から福者ヤコブ・アルベリオーネを崇敬しようと集まった人たちに言葉をかけたいと思います。アルバ教区のこの選ばれた司祭の心には、キリストに捕らえられ、キリストを「道・真理・いのち」として告げるために全身を傾けた、あの使徒パウロが生きていました。時のしるしに敏感であったアルベリオーネ神父は、社会的コミュニケーションという現代の「説教壇」を福音宣教のために開放しただけでなく、自らの事業を、教会の中で教会への奉仕としてなされる有機的な働きと捉えました。この洞察から、合わせて10もの会が生まれ出て、彼によって始められた事業を今も同じ精神をもって行い続けています。アルベリオーネ神父が天からその家族を助け、彼が望んでいたように、この家族が「今日生きる聖パウロ」であることができますように。
(中略)
この思いと願いをこめて、あなたたちとその共同体、家族、大切な人たちを心から祝福します。
同日の午後4時、ローマの聖パウロ大聖堂で列福列聖省長官のホセ・サライアヴァ・マルチン枢機卿司式により、列福感謝ミサが捧げられ、パウロ家族のメンバーやアルベリオーネ神父にゆかりの深い人々が参列した。
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